これが最後のペンティアム!?

 買ってきました。生活費を流用して。

不滅のペンティアム

Pentium Dual-Core E2140

Core:  Conroe
Socket: LGA775
FSB:   800MHz
Clock:  1.6GHz
2nd-Cache: 1MB
Process-rule: 65nm
TDP:  65W


 あれほどペン4を馬鹿にしペンDをコケにし続けた私が、まさか再びインテルのCPUを買うことになるとは。
 例えばもしもこの石が「Core2Duo E2140」などという名の代物であったなら、私はまたAthlonを選んだろう。
 ペンティアム。耳に懐かしいその響き。思えば初代の頃から使い続けてきた座右のブランド。もう滅びたと思っていたその名前が復活したのだ、不死鳥のように。
 自分のマシンにペンティアムという名のCPUを載せたのはペン3が最後だった。高クロックという力業に頼ったペン4世代の石は、私には到底スマートにみえなかったから。唯一許せたのはNorthwoodだけで、それも自分用に使ったことはない。ましてPrescottやSmithfieldをペンティアムなどと、私は認めない。かつての王者が奢りゆえに民の声に逆らい増長し、そして落ちぶれていく… ペンティアムの終焉はふがいない石を立て続けに出した挙げ句のみじめなものだった。私はいたたまれない思いでその没落をみつめていた。あれほどペン4を憎みペンDを呪ったのも、思えば愛情の裏返しだったのかもしれない。

 時代はもはやCore2世代。ペンティアムという名はすっかり過去のもの… もはや私の選択肢にインテルの文字はなくなり、CPUのロードマップを追いかける事もやめてしまったそんな頃。全く唐突に、彼女は現れた。妖精のように軽やかなその身をひるがえして、その名に恥じないポテンシャルを秘めて、彼女は蘇ったのだ。
 その復活を誰よりも喜んだのは、ほかならぬ私だったのかもしれない。

 そして彼女はやってきた。私の元に。運命という名の必然に導かれ。
 さあ、組もう。君と辿った過去に思いを馳せ。
 そして行こう。二人で未来をみつめよう。
 それが最後の逢瀬だとしても。
 私が組まねば誰が組む!!


 では、この娘をサポートしてくれる頼もしい仲間を紹介しよう。

マザーボード

 マザーボードほど選択に悩むものはない。LGA775の石など初めての自分にはなおさらだ。考えてもきりがないので「とりあえずのつなぎ」と割り切って考えた。
 最低限、以下の事ができればよしとした。

・DVI出力(予算上、グラボが買えない)
・PS/2キーボード端子(最近のインテルのマザボでこれが付いてないのがあった。これも時代か)
・NCQ(インテルの廉価チップセットにはNCQがない)
・1333MHz対応(オーバークロックしたいので)
・低発熱(余計な熱はゴメンだ)

 NCQ対応というこだわりのためインテルのチップセットは候補から外した。NCQの使えるインテル製チップは高価なのだ。
 どうやらnVidiaの新チップ「GeForce7100」が私の望みに叶うようだ。ここのチップセットは熱々で眼中になかったのだが、最近は性根を入れ換えて低発熱チップを作っているらしい。しかもDVI出力があり、1333MHzにも対応し、そして安価だ。
 但しメモリがシングルチャネルのみ対応という「なにそれ? 今どき!? ありえな〜い!」的アキレス腱をかかえているのだが、全ての要件を満たすマザボなどない。これに決めた。
 AMDとATIを愛する私にとっては仇同然のnVidiaだが、チャンスをくれてやるとしよう。

BIOSTAR TF7100P-M7

電源まわりのアップ。
最近では1万円を切るマザボでもここらはしっかり作ってあって感心する。

 同じチップを積んだ数社のマザボからこれを選んだ。
 JETWAYのIN73M2-PDG-VT(マザボの型番って覚えにくいね)も有力候補だったが、12V-8Pinという見慣れない電源端子が必要だったという一点で、こちらに決めた。

HDD


HITACHI DeskstarP7K500 (500GB)

 今回のPCはオーディオPC。手持ちのCDをHDDに、それもWAVファイルで取り込むのが目的なので大容量は必然。現在主流の500GBを選択した。500GBではいずれ足りなくなるかもしれないが、その時はもう一基おかわりだ!
 メーカーは、これも迷わず日立Deskstarの新型。ノート型HDDの技術を取り入れ従来より低発熱で省電力らしい。低発熱で省電力と聞いてこの私が黙っていられようか。
 ごめんよBarracuda、そしてお久しぶりDeskstar。君と会うのはIBMブランド時代以来だね。またよろしく頼むよ。


メモリ

 メモリの選択は常に苦悩だ。何がよくて何が悪いのか、そんなの誰にもわからない。ベテランだって糞メモリを掴まされることもある。
 といって箱入りで保証付きの物を買っておけば間違いはないが、それでは面白くない。
 どうせ安くなったメモリだ。ダメもとで、一番安いやつ、いっとけ!

ノーブランド DDR2-800(PC2-6400) 1GB * 2

マザボがシングルチャネルのみ対応なので2本買う意味はないが、使い回しを考えて購入。

あとで知ったけど、「M&S」と書かれたチップは
「はずれ」らしい。
自分としては定格で動きさえすれば文句はない。
こんなに安いんだから。


CPUクーラー

 CPUがリテール品なのでクーラーはついてるが、メモリを買った店でC2Dのリテールクーラーをジャンク扱いで売ってたので念のため買ってきた。


左が買ってきたもの。右がPentiumDC付属。高さも同じだ。
全く同じ!? 意味ね〜!
裏返してみると、C2D用は銅をつかってる。PentiumDCはアルミのみ。
よく見るとファンも違う。C2DはNIDEC製、PentiumDCはDELTA製だった。
銅を使ってるC2D用をつかうことにする。

 1GBメモリ2本と、ジャンクとはいえCPUクーラー、合わせて4000円でお釣りがくるとは。いい時代だ。


"CLICK!" に思いを馳せて

 全てが揃った。ケース、電源、サウンドカードはすでに手元にある。
 すぐに組んでしまいたい気持ちをおさえ、まずはHDDの慣らしを行う。
 いくつかのサイトで見たのだが、HDDは本稼働前に電源だけ入れて数時間アイドリングさせておくと中のグリスがなじんで耐久性や動作音の点でよいらしい。真偽は定かでないが私も以前やったことがあり、たまたま当たりのHDDだったのかもしれないがともあれ好結果だったので今回もやってみた。
 その間にそれ以外のパーツをケースに組んだ。久々の自作、初めてのLGA775、そして初めてのデュアル。興奮と緊張でガチガチだ。
「あれ、CPUの向きってどうだっけ? で、これで蓋するのか。あれ、れ? 蓋閉まらん。あ〜っ、CPUカバー外すの忘れてた!」
 すっかり自作初心者に逆戻りだ。

 久々のフル自作に浮かれてるのはいいのだが、ひとつ残念に思ったことがある。このマザボには「カチッ」がないのだ。
 メモリを差す時、ATX電源ケーブルを差す時、「カチッ」という感触がない。あれは電車進行の指さし確認と同じで、あれがないと「差した」という安心感や達成感が感じられない。というか「カチッ」こそ自作の醍醐味、快感なのだが。これだけの性能を安価に提供しようと思えばどこかでコストダウンするしかないだろうが、残念である。このマザボが安物だという事以外に、最近の端子の規格はやたら小さく強度のないものが多い。S−ATAケーブルなど最たるものだ。電気的には9割9分きちんとつながっているだろうが。まあそれも時代の流れと思うしかない。

 しかし一カ所だけどうしても納得のいかない部分があった。トラブルの温床、CPUクーラーである。
 クーラーの取り付けがすんなりいくことは滅多にない。おまけにソケットの規格が変わるたびにつけ方が変わる。特に今回のは今までとは全く違うやり方で、4本の杭みたいなやつをマザボに開いた穴に差し込むという、なんだか原始的なやり方だ。
 その差し込んだ時の「カチッ」という感触が、ない。こればかりは不安で仕方ない。きちんとついていなければどうなるか、それは今までの経験で嫌になるほど知っている。しかし「カチッ」という合図がなければ力の入れ具合がわからない。マザボはすでに強大な圧力に耐えかねゆがんでみえる。それでも「カチッ」は聞こえない。
 誰だよ、こんな乱暴な規格を考えたやつは。
 きっとそいつはPCへの、マザボへの愛情など微塵もない奴に違いない。私ならこんなかわいそうなことはできない、したくない。
 したくないけど、やらなきゃいけない時もある。なにせつけなきゃ動かないんだから。たわんだマザボに見て見ぬふりした。こうなるとわかってたらせめてマザボをケースにつける前にクーラーつけるんだった。でも、もうめんどくせ〜
 この「めんどくせ〜」で、後々ひどいめにあうのだが…
 あと、知らん間にCPUクーラーの電源って4ピンになってたんだね。もうすっかり浦島太郎だよ。

 噂通りの凄い奴

 HDDは未だ慣熟運転中だが、HDDがなくても動作確認はできる。マザボにCPUとメモリだけ積み込んで、起動実験開始じゃ!



 むろん、起動自体は成功した。
 まず思ったのが、リテールクーラーが静かな事だ。起動時に一瞬高回転になるが、それ以降ははっきりいってケースファンより静かだ。
 BIOS画面に行くと、もひとつ嬉しい事が待っていた。見たこともないほど豊富なオーバークロック設定だ。CPUのFSBはもちろんメモリやオンボードグラボのクロック、電圧にいたってはCPU、メモリ、グラボ、果てはチップセットに至るまで調整できる。購入前に調査していたので概要は知っていたが、実際にBIOS画面を拝むと喜びもひとしおだ(欲をいえば電圧は下げ方向にも設定が欲しかったが)。
 というわけで、さっそくOCしてみた。
 結論から言うと、定格(1.66GHz)から2.66GHzまであっさりOCできた。これもネット情報でおおかた予想できていたので、この手の記事は読むほうもうんざりだろう。それにしても凄いのはCPUの底力だ。
 あわよくば大台も狙えるかと電圧を上げて狙ってみたが、全く上がらなかった。後で知ったが私の買ってきたのは「M0ステッピング」というやつで、OCの基本性能は高いが電圧には鈍感ということで、全くその通りだった。
 しかし50%以上のOCに成功したのは初めてだ。まずは大満足である。

(インストール編に続く)


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