サウンドカード交換
サウンドカードを買ってきました。オーディオ用PCを作るなら、ここはケチるわけにはいきません。今使っているサウンドブラスターLive!
では役不足です。
いろいろ迷った末、こんなのにしました。
「PRODIGY 7.1XT」
最初は思い切ってサウンドカードより格上の「オーディオカード」を買うつもりでしたが、そのての製品は私に必要な「アナログ4チャンネル出力」ができないものが多いのです。
USBサウンド製品も有力候補だったのですが、こちらも4チャンネル出力がなかったり、USB1.1のみの対応で帯域が不足していたりと、思うような製品が見つかりません。
結局、無難ながら4チャンネル出力ができて比較的高音質といわれるこのカードにしました。オペアンプの交換ができるのも面白そうですし。
取り付けの際にひと騒動ありましたが(詳細は前頁にて)なんとか取り付け、ドライバをインストール。ドライバはネットで最新のものを拾って入れました。
不安定なドライバ
さて、いきなりですが左の音が出ません。不良品か!?
いや、ボリュームをいじったら直りました。この先起こる数々のトラブルの序章です。
このドライバ、非常に不安定です。サウンドブラスターなみ、といえば分かってもらえるでしょうか。
ASIOを使いプレーヤー(FrieveAudio)で聞こうとしましたが、サウンドカード本来のASIOドライバではノイズだらけで聞けません。結局いつものASIO4ALLを使いました。
ところが前触れなしで音量が変わります。ドライバ画面やマスターボリューム画面を開いたり閉じたりするだけで。それどころか音楽聴きながらネットしてるだけで突如音量がドカンとあがったりします。どうやら音楽を流してるサイトに行くとその機能に反応してるみたいですが、とにかくいつ音量があがるのか、隣近所に迷惑かけないよう心がけてる小市民の私にはびくびくものです。
あと、一度だけですが一瞬にしてブルー画面
-> 再起動画面に直行した時はびびりました。WIN98やMeじゃあるまいし。
しかし一番の問題は、かなりの確率で休止状態から復帰できないことです。PCでTV録画してる自分にはほとんど致命傷です。
それほど不安定ながら、音そのものは悪くないので使い続けることにします。せっかく買ったんだし。
おもしろいと思ったのがヘッドホン端子です。こいつはサラウンド出力(7&8ch)と共用で、切り替えはドライバ画面で行います。実際に切り替えてみると「カチッ」と機械的な音がします。中でリレーが働いてるみたいです。こんなカードは初めてですが、なにやら音質へのこだわりを感じます。試しにヘッドホン差して聞いてみましたが特に音質のよさは分かりませんでした。まあエロゲでもしない限りヘッドホン端子に用はありません。
そんなことより、不安定なドライバが勝手にリレーを動かさないかと気になります。普段はここに高音担当のアンプ(TU-870)を繋げ、そこから先はトゥィーターが直結されています。保護コンデンサなどありません。ここにヘッドホンの大出力が襲ってきたらトゥィーターはどうなるのか… 恐ろしいことを考えるのはよしましょう。今は信じるのみです。
オペアンプ交換
このサウンドカードのお楽しみはなんといってもオペアンプ交換です。
オペアンプというのは小型の増幅器です。便利なのでオーディオ機器には当たり前のように使われていますが、このサウンドカードはそれがソケットで着脱でき、オペアンプ毎の音の違いを楽しめるのです。
「2114D」とか「OPA2134」と印字された黒くて横長の長方形が、オペアンプです。
これをソケットから抜いて他のオペアンプと差し替えます。
オペアンプ毎に音質の傾向が違うので、聴き比べて自分好みの音を選べます。
普段通りのマルチアンプ接続でいろいろ聴き比べてみました。
低音(1&2ch) | 高音(7&8ch) | 聴感 | |
1 | OPA2134 | NJM5532 | オリジナル。このままでも十分、高音質。 |
2 | OPA2134 | NJM2114(新品) | 高音に元気が増した。好みの音。 |
3 | OPA2134 | OPA2604(中古) | とっておきの切り札を投入(改造CDPから引っこ抜いた)。ところが予想外にくすんだ音。中古だから? |
4 | OPA2604(中古) | OPA2134 | 低音、高音を入れ換えてみたが、OPA2604によい印象なし。 ネットでの評判がいい石だが、電圧が低いため本来の力が出ていないのか? |
5 | NJM2114(新品) | OPA2134 | パターン2の低音、高音を入れ換えてみた。きらびやかな高音。今までで一番いいかんじ。 |
どうやらOPA2134が私の好みに合ってるみたいです。1個400円程度らしいので、日本橋で探して上下共OPA2134で揃えてみましょう。
AD8066、LM4562といった比較的新しいオペアンプもなかなかの評判なのでいずれ試します。
オペアンプ交換は気軽に楽しめていいですね。なにしろハンダ付けしなくていいので。
追記:LM4562買ってきました(@\840-)。
上、下共にLM4562で試聴。なんてつまらん音だろう。おまけに他のオペアンプにはなかった派手なノイズまで出てます。これが安いオペアンプなら即刻戦力外通告ですが、高い金出してわざわざ買ってきたので我慢してエージング。
1時間ほどでノイズはほぼおさまりました。まだ少し聞こえますが試聴位置では問題ないレベルです。おそらく外部のノイズに敏感なのでしょう。翌日にはかなり聴ける音になってきました。おそろしく解像度の高い音です。基本は原音忠実、加えて低音に迫力があります。太くなるのではなく下に伸びていく感じ。スピーカーの口径を一回り大きくしたようなお得感があります。クラシックを聴くならこのオペアンプは捨てがたい選択肢です。
しかしどうにもマジメすぎる。覇気がない。昔練習で作ったICアンプに何も考えず負帰還かけまくった時のような音なのです。「オラに元気を分けてくれ!」って気分の時にアニソンを鳴らしても、これでは元気がもらえません。
今回ゲットできなかったAD8066も試してみたいけど、ないものは仕方ない。高音だけOPA2134に戻してみました。おっ、これは好みです。これで常用します。いいとこどりができるのがマルチアンプの強みですね。
オペアンプ交換は、聴いてすぐ優劣の判断をしないほうがいいですね。比較的安価なNJM2114とかでも一週間使ってると見違えるような音になってたので。
96kHzの実力
普段使っている「FrieveAudio」はWAVファイルやMP3ファイルを「アップサンプリング」してから48kHzに再変換して出力しています。ここを96kHzに再変換するよう設定を変えてみました。サウンドブラスターの時でもスペック上は可能だったと思いますが、無理だと思ってやってませんでした。今回のカードは高性能だし、フリーズ覚悟でやってみました。
うまくいきました。CPUはひいひい言ってますが。
音は非常に上品になりました。解像度が増し、無音時の静寂感も増しました。テレビの映像にたとえるなら、黒の質感が上がり、女性のうなじの産毛まで見て取れる、そんな感じでしょうか。これこそ私の求めていたものです。これでやっとクラシックを本腰入れて楽しめそうです。アニソンなどは上品すぎて聴こえるかもしれませんが、たいした問題ではありません。
CPU負荷は常に90%前後を推移し、音楽鑑賞以外の動作が非常に緩慢になりましたが、得られた音質の代償としては安いものです。
RCA端子増設
このサウンドカードの不満のひとつは出力端子です。ステレオミニジャックがずらりと並ぶ姿は壮観ですが、やはりRCA端子がほしい。
自分としては1、2、7、8の4つのチャンネルさえ出力できればいいので、空いている隣のブラケットを利用することにしました。
このカードは気が利いていて、出力端子の手前にL、GND、Rのコネクタがあります。ここから信号を引き出すだけでRCA化できます。
私はもうひと工夫して、オペアンプの出力から直接信号を取り出してみました。
こんなかんじで。
PC内ノイズを拾いまくりそうな気もしますが、 レッツ、チャレンジ! |
サウンドカード本体に手を加えないですむのがいい感じ。 |
オペアンプとソケットの間にもうひとつソケットをかまして、ここから音声出力(L&R)をとりました。
GNDは先ほどの出力端子手前のGNDコネクタに繋ぎました。
(最初、オペアンプの4PINをGNDと勘違いして繋いだらプーッて発振しました。アホですね、よく壊れなかったもんです)
GNDを繋ぎ直すと、今度はうまくいきました。心配していたノイズもないようです。
本来必要なカップリングコンデンサを省略したのですが、一聴して低音のキレが増しているのがわかりました。予想通りの音の変化にかえって驚きました。端子をRCAにした事も音質には有利ですし、抵抗もチップ抵抗より大型のほうがいいのでしょう。音質的なデメリットはないようです。とりあえずの実験のつもりがなかなかの結果なのでこのまま使ってますが、ブラケットはも少し頑丈なものにするべきでした。
(なお、コンデンサの省略はアンプ側に無極性カップリングコンデンサがあると分かってる場合だけ可能… だったと思います)
まあ、ここまでしないでも十分いい音です。今回のサウンドカードの選択は、自分ではおおむね満足です。
あとは信頼できるドライバがあればいいのだけど。あまり期待してませんが…
追記:
低音側のオペアンプをLM4562に換えて数週間。そろそろ落ち着いたかと思ってた矢先、ある日突然ノイズだらけの音に豹変。しかも片側だけ。
特に何を変えたというわけではないけど、元々ギリギリの動作だったのでしょう。
やむなくNJM2114に換装。しかしクオリティの差は歴然です。
なんとかLM4562を現役復帰させるべくソケットの4PIN−GND、8PIN−GND間に積層セラコン(0.1uF)を挿入。ノイズはピタリとおさまりました。
追記2:
低音に比べ高音側のOPA2134にやや落ち着きが足りないので、オペアンプ表面にVEM(制振材)を貼りつけてみました。
とたんに聴くに耐えない音になりました。遊び回ってる子犬に首輪をつけて鎖でつないだくらいひどい音です。一時間もガマンできず撤去。たったこれだけで音が変わるとは。
ちなみにVEMをはがす際、サウンドカード外すのが面倒なのでマザボに差さったままはがそうとしてポロッと落ちてしまいました。どこ行ったんだろう…
ミニジャックの原罪
ある日、よりよい音を求めてサウンドカードのコンデンサ交換してみました。が、どうにも音が悪い。
電解をタンタルに換えて音が悪くなるはずがありません。しかもいじったのは低音部なのになぜか高音部の音ににごりがある。これは別なところに原因があると思って調べてみると、高音部が左右ミックスされてモノラル状態になってました。そんなことにもすぐ気づかない自分の耳の鈍感さにあきれました。原因は不明ながらサウンドカードとケーブルを差し直したら直りました。
それはいいのですが改めて気づいた事があります。、正常な状態でも左右の音がけっこう漏れてるんです。
問題のない低音側で、左右のボリュームを使って耳をたよりに高音の漏れの程度を再現してみました。-20デシベルくらいで高音部と同じくらいになりました。てことは、うちのステレオのチャンネルセパレーションは20デシベルって事!? これはひどい、ひどすぎます。
自作したケーブルが原因かと思い取り替えてみましたが結果は同じ。てことは、犯人はアンプ? チャンネルセパレーションには気を使ってきたつもりですが、がっくりです。うちのTU-870はでき損ないだったのか。
…いや、待てよ。
気を取り直し、低音部用に増設したRCA端子からTU-870に繋いでみました。直結のトゥィーターを壊さないよう注意しながら。
そしたら見事にクロストークが消えました。真犯人はサウンドカードのステレオミニジャックだ! RCAのほうがいいとわかっていたけど、ミニジャック端子がこれほどひどいものだったとは!?
迷うことなくサウンドカードの高音部(7/8ch)もRCA化することにします。
カードのコネクタを利用して単純にRCA化。違いは端子だけです。
これだけで、たったこれだけでクロストークは綺麗さっぱりこの世から消え去りました。このサウンドカードの端子はよほど貧弱なのでしょうか!? いやカードうんぬんでなく端子の規格そのものが問題かもしれません。
この結果を鵜呑みにするならPCで音楽を鳴らしてる人の大半は、そして携帯オーディオで音楽聴いてるほぼ全ての人たちはチャンネルセパレーションが20デシベルしかない音を聴いてるって事になります。
PCの音が悪いといわれるのは、案外こんなつまらないことが積み重なっての事かもしれませんね。
逆に、iPodとかRCA化したらえらいことになるかもしれません。
なんにせようちのTU-870がマトモとわかったことは素直にうれしかったです。
まだまだいくよ!
このカードあまりいじるつもりなかったんだけど、いじったぶんだけダイレクトに反応するので、楽しくてつい。
とうとうサウンドカード本体にも手をつけました。
DACとオペアンプを繋ぐコンデンサを交換。回路がわからんのでテスターでオペアンプ入力との間の抵抗値の少ないところを見つけ、それらしいのをなかば当てずっぽうで4本だけ交換… するつもりが高音部の片chだけ見当がつかなかったので、実際に交換したコンデンサは3本だけ。なんてこったい。
たんたる たるたる かわいいね
高音部のRCA化も、もちょっと本格的にやりました。
黄色のどデカいフィルムコン。なんかノイズ拾いそう。高音部出力用カップリングのため容量は2.3uFと控えめにしました。
万一の際のトゥィーター保護にも役だつかも!?
ああ神様、なんで人の腕は2本しかないのでしょうか。
自分がアシュラマンだったら「カーカカカ」言いながらスイスイハンダづけできるのに、とか思うのは私だけでしょうか?
心配してたノイズが増えました。エージングで直らなければ再チャレンジが必要です。
それよりも、笑いそうになるくらいキャラクターが変わりました。どうやらOPA2134がその秘めたる本性を現したようです。日立のフィルムコンも「お前はエフェクタか!?」と言いたくなるよなイカれた音です。チャラチャラと安っぽい、私の大好きな音です。高音の抜けが素晴らしい! アニソンなんか、もうたまりません。
え、クラシック鑑賞!? しばらくその事は忘れます。せっかく原音無視の元気サウンドが聴けるんだから。多分エージング終わればおさまるでしょうが、私ゃこのままでも構いませんよ。
どうやら交換したコンデンサはLchだったようで、スピーカーの左側だけやたら元気いいです。もう一つのコンデンサもみつけないと。右はどっちだ?
これがわかれば、DACからスピーカーにいたる信号経路の全てのコンデンサが把握できます。これはちょっとすごいこと。その全てに自分がこれと選んだ逸品を差してるんだから、こりゃ音が悪いはずがありません。ちなみに低音部のコンデンサは2個(タンタル16uF、シズキ0.66uF)、高音は3つ(タンタル16uF、日立フィルムコン2.3uF、ディップマイカ0.005uF)です。やはりシンプル・イズ・ザ・ベストです。
追記(08/01/29)
この間、音質は向上したかというとむしろ逆。PCのノイズに悩まされ、一時期はクラシック鑑賞を放棄していた。
1/25・オペアンプをLM7162に換装。いい。エージングするまでもなく聴いた瞬間「よい音だ」と実感。解像度が高く、でしゃばらず、自然体。
今回は高音部だけだったが、低音側もこれにしたい。LM4562はドラムの音が餅つきみたいにペッタンペッタンするのでアルテックの良さが死んでしまってるので。
1/29・悩まされ続けていたノイズの原因が判明。
マザボ(というかCPU)を交換して以来ノイズに悩まされ続けていたので、なんとかノイズ源を退治しようといろいろしてきた。電力線をねじったり、サウンドカードからできるだけ離したり、果てはケース内にビデオテープやら備長炭まで入れたりと。しかし解決には至らず。回答は意外な所にあった。
音質向上のためにオペアンプから延ばした出力線、よ〜く考えたらアースがループしてる。ループといってもこんな小さなわっかなのだけど。最短のためのわっかをやめ、ボード上に配線を這わせるようにアースを引き直して音を出してみた。
ノイズの激しい高音側だけこの対策をしたら、今度は低音のノイズの方が目立つようになった。つまり効果があったわけだ。これでようやくノイズから開放されそうだ。
しかしPCを換装してノイズが増えたのも事実。替えたパーツはマザボ、CPU、HDD、メモリだけ。つまりケースと電源はシロだ。おそらく主犯はCPUだろう。それにしてもPC内部は過酷な環境なのだと改めて思い知った。
なお、このサウンドカード、ノーマルな状態だと全くノイズは出ない。きっと優秀な設計なのだろう。でも改造した方が音がいいので、この調子で頑張る。
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