とうとう買っちゃいました編
ALTEC CF204−8A
「とうとうもなにも、あんたしょっちゅうゴミ同然のガラクタ買いあさっとるやないか」
い〜え。今回ばかりは違います。これはいい物です。たぶん。
「アルテック」というメーカーをご存じでしょうか。私は知りませんでした最近まで。かつてはJBLやタンノイと並び称されるスピーカーの老舗だったそうです。知る人ぞ知る高級ブランド。なんかこう、そそるじゃないですか。
去年、中古屋で見かけたんですよ。型番は忘れましたが子供の背丈ほどもあるでっかいのが。
(あ、「A7」とか、そういうのじゃないです。それなら私もわかります。もっとこう細身な感じでした)
エッジはボロボロ。「ツィーター鳴りません」。そんなジャンクにつけられた1万5千円という強気の値札。
さすがアルテックだ(よくわからんけど)。
それ以来ますます憧れとなったアルテック。過去のメーカーと思ってたのですが、実は今でも作っているとか(最近復活したそうです)。
でもきっと高いんだろーな。一番安いのでどんくらいなんだろう… ネットで調べました。ペア(2本)で8千円前後。
雲の上の存在に思ってたアルテックが手の届くところにある!
ネット上での評判もいいので、もう迷う余地はありません。日本橋で見つけられなかったのでネットで買いました。通販はキライで滅多に利用しないのですが、でもアルテックのためならば!
ALTEC CF204−8A
・とりあえず鳴らせ
単体のユニットなので箱を作ってやらないといけません。が、注文した次の日の午前中に届くという速攻ぶりだったので、何の用意もしてません。
とりあえず100円ショップに駆け込み、こんなもんを揃えてきました。
スピーカーケーブル&段ボール製ボックス2個 計315円
即席スピーカーできあがり
我が家の定番・電池アンプをつないでお手軽システム完成です。
・聴感
言い忘れてましたが私は一度もアルテックの音を聴いた事がありません。
さて、どんなんかな〜。
記念すべき一枚目は… これだ!
・「WELCOME!」(でじこバージョン)
聞いてがっかり。フツーの、なんの変哲もないラジカセの音です。笑顔も曇るひどい音。
オーディオのパーツはエージングといってある程度使い込まないと本来の音が出ない。わかってたつもりだけど、それにしてもひどい。ここはじっと我慢です。
2、3枚聞き流した後、いよいよ本気CDを回してみます。
・シューベルト歌曲集(演奏者不明)
気づいたのは歌詞の語尾のRとかがちゃんと巻き舌にきこえること。解像度の高い音です。
「俺は確かに今ドイツリートを聴いている!」という充実感に浸れます。ピアノも、こんな段ボール箱で鳴らしてるというのにキチンと角のたった音です。こいつでクラシックは無理だと思ってたので嬉しい誤算です。このスピーカーの素性のよさがかいま見えました。
さて、アルテックはジャズが得意だときいているので、せっかくなので鳴らしてみました。といってもジャズのアルバムなんぞ持ってないのでネットラジオで。
お勧め局
http://www.dr.dk/musik/jazz/
うわああ〜っ!
突如、アルテックは別人になりました。
まさに水を得た魚です。
はしゃいでます。
マイク持って離さない感じです。
エージング済んでないとか、箱が段ボールだとか、音源がPCだとか、低音が全く出てないとか、そういうこと一切関係なし。
こいつはJAZZのためだけに作られたスピーカーだ
ジャズに興味のない自分ですが、たった10秒でそう確信しました。
惜しむらくは、私はジャズではなくアニソン聞きたいんですが…
その後改めてクラシックなど鳴らしてみましたが、透明感がありいい音で鳴ってくれます。が、さきほどのアレが耳に残ってるのでどうにもこうにも「猫かぶってる」という思いが拭えません。
こいつを機嫌よく鳴らせるためには、たまにはこいつの好きなジャンルの音楽もかけてやるべきだと思いました。そうすりゃきっと下手っぴな声優さんの歌でもそれなりに鳴らしてくれるでしょう(ギブアンドテイクです)。
JAZZ好きの人にはこいつは間違いなくお勧めです。1万円で至福が手に入りますよ。
・箱を作る
このままでは気の毒なのでちゃんと木で箱を作りましょう。木工なんて中学校の時に本棚作った事しかないですが、アルテックのためならば!
実はこの日に備えて習作を作ってました。
壊れたSONYラジカセのユニットを流用
この習作(一応ちゃんと鳴りました)から私はひとつの教訓を得ました
見栄えって大事かも
音づくり、などと大それたことはいいません。そんな知恵も技量もありません。が、そこにあるだけで部屋がみすぼらしく思えるような、そんなスピーカーだけは作るまいと。
設計に関してはこちら様のサイトのものを(無断で)使わせていただきました。
完全なコピーではありません。家にある廃材をメインに使ったので若干材圧が薄くなってます。それにそもそも使うユニットが違ってます。したがって設計されたとおりの音が出る保証はありません。
今回は見栄え優先ということで。
木をまっすぐに切ってまっすぐくっつける。それが実は大変。 |
家にある廃材を利用しました |
正面の板だけMDFという板を買ってきました。加工しやすいです。 |
スピーカーをネジで簡単に着脱できるよう、裏に「鬼目ナット」なるものを取り付け |
見栄え優先なので接合は釘や木ねじを使わず「ダボ」を使いました。木工用ボンドをこれでもかというくらい使って接着。 |
色は正面以外は黒。 |
DIY店で「合成うるし」というものがありました。これを正面に使います。 「鎌倉赤」という色名が購入の決め手。 |
結構手間のかかる塗料です。それにシンナーを使うのでクサい。 |
乾燥中。その後研磨。これを繰り返します。 |
できました!手前に置いたカッターが映ってみえるでしょ? 頑張って塗りましたもん。
え、音のほうですか? ははははは…
段ボールと比べて低音は確かに出てます。が、どうにも元気がないというかバランスが悪いというか。男声などは芯のない感じです。せっかくのユニットの味がちょっと死んでしまってるように思えます。
波形をとってみましたが600Hzあたりで見事にヘコんでます。吸音材を入れたくらいじゃどうにもならないくらい。
とはいえユニット持ち前の音の情報量の多さは素晴らしく、女性ボーカルはそつなくこなせます。美空ひばりクラスの本格派になるとドスの聞かせ方に不満を感じますが。ちなみに手持ちのCDの中で一番よく聴けたのは丹下桜でした。
小口径のスピーカーを選んだ時点でフルオーケストラを鳴らす事など望んではいません。しっとりとボーカルなど楽しむサブシステムとして作ったので、その意味ではまあ合格としておきましょう。それにしてもクラシックと美空ひばりと丹下桜とは… 自分の音楽鑑賞のセンスが我ながらわかりません。
今日の一枚 丹下桜 「MAKE YOU SMILE」 アニソンは大好きだが声優のオリジナルアルバムというものには縁がない。というかまったく興味なかった。どうせ声優の余技じゃないかと。 その信念を変えさせたのがこの一枚だ。これがきっかけでこのジャンルを聴くようになった。 むろん歌唱力に多くを求めてはいけない。けれど彼女たちは声をきかせる、声で人の心をつかむプロなのだ。本格的な歌手とは違う切り口の魅力にあふれているのだ。あなどってはいけない。 そしてこのジャンルで未だこの一枚を超えるものには出会っていない。 歌唱力も悪くないし、録音もJ−POPらしからぬ音質。一曲いっきょくの質も高い。 そしてアルバム全体としてのバランスが絶妙だ。ひとりの女の子の喜怒哀楽が一枚のアルバムに凝縮された、アイドル系のアーティストにありがちな構成。それを真っ正直にどこまでもクオリティーを高め昇華したもの、理想を形にしたものがまさにこれであると。ほかにも丹下桜は何枚か聴きどれも好印象だが、トータルバランスでこの一枚がぶっちぎってる。 特に印象的なのは8曲目 "photo card"。セッティングが決まると丹下桜が耳元でささやくように歌いかけてくる。目を閉じると傍らにいるのじゃないかと錯覚するほどに。そして "tune my love" "MAKE YOU SMILE" とたたみかける構成はまさに一遍のドラマそのもの。このCD一枚で、いや "photo card" 1曲だけでアルテックのスピーカーに投資した元はとれたようなものだ。 ここまで惚れこみながら、それでも『CCさくら』は見ない。いくら岩男潤子、久川綾、本井えみと好きな声優てんこ盛りでも、おまけに菅野よう子がOP作って坂本真綾が歌ってても、CLAMP拒否症だから見ないものは見ない。ひょっとして自分はすご〜く損な性格なのかもしれない。 |
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