BTL編

 

 管理人も訪問者もオーディオ初心者であるこのサイト、まずは「BTLとは何ぞや?」から始めないといけないのですが、それは話のなかでおいおい分かってくるので(ほんとかな)。

 その前に、うちの現状のオーディオシステムがどんなものなのか。

CDプレーヤー  ONKYO C−710M
\1500-(ジャンク)
・開閉時のゴムが弱っていたので交換
・整流回路のコンデンサを増設
・その他コンデンサのいくつかをOSコンに交換
・I/V変換帰還抵抗の交換
・同・オペアンプ交換
・電源ケーブル強化
・トレイ部に黒のセーム皮を張る
(読み取りレーザーの乱反射を防ぐため)
アンプ クリエイティブメディア
PC用スピーカ「CS100」
分解してアンプ部のみ使用
\200*2(ジャンク)
・左右のスピーカーを個別のアンプで駆動(バイアンプ)
・IC以外のほぼすべての部品を交換
・電池駆動化(単3ニッケル水素電池*4:公称4.8V)
ラインケーブル 自作
制作費 @\250-
アンテナ用同軸ケーブル使用
端子は秋葉原で単価100円程度のものを使用
入力セレクター 自作(制作費約\1000- 入力4系統 出力2系統
スピーカー テクニクスSB−X77
(システムコンポのものと推測)
2本\1500-(ジャンク)
・筐体剛性強化
・直出ケーブル交換&バイワイアリング化
・ツィーター直結のコンデンサ交換(電解->フィルム)
・ウーファー直結のネットワーク用コイルを撤去

 数字のケタを間違えてるのでは、といわれそうな貧乏システムですが、いい音で鳴ります。
 うちを訪れた誰一人、私の意見に同意しないのが残念ですが、なに悪いのは奴らの耳のほうです。
 自分じゃ、そこらのミニコンポよりよほどいいと自画自賛してます。
 してるんですが。悲しいかな、パワーがない。
 クラシックのようなダイナミックレンジの広い音楽だと、アラが目立つ。

 「電池で鳴らしてんだから、あ・た・り・ま・え

 いや、たしかにそうなんですが。
 でも正確にはパワーがないのは「電池だから」じゃなく「電圧が低いから」なんです。
 ごく大雑把に言ってアンプの出力、つまりパワーは電圧の2乗に比例するのです。
 たとえ電池でも直列に何個も繋いで電圧をあげれば、パワフルなアンプが作れるはず。
 けれど元々「デジカメ用の電池の放電器」として始めたうちのオーディオ。できるなら「単3×4本」という基本は崩したくない。

 何事にも逃げ道はあるもので、あったんです。電圧をあげずにアンプのパワーをアップする方法が。
 それが「BTL」。その原理を説明する自信は私にはありません。ここでは効能だけをのべます。
 2台のアンプを使うことでパワーが(原理的には)4倍になるのです。
 実際、低電圧のバッテリーを使うしかないカーオーディオの世界ではBTLは不可欠の技術のようです。
 そのうえBTLには低音の迫力が増すという作用もあるらしい。そんなおいしい技なら自分もぜひ使ってみたい!

 同じアンプを2台用意できればBTL化は可能みたいです。但し片方のアンプに「位相反転回路」をつける必要がある。この「位相反転回路」の出来がよくないと、音はかえって悪くなるらしい。

 さて、私は自分の技術や腕前を、全く信用しちゃいません。
「位相反転回路を作る? ははは、そんなの無理無理」
 というわけで、最初からBTL機能を持ったICアンプを使うことにしました。NJM2073というICです。

 このIC、実はあまり評判がよくない。少なくとも「ピュアオーディオ」を目指す人たちには見向きもされません。かくいう私も以前ジャンク屋で買ってきたPC用スピーカーをバラしてこれが出てきたとき「うわ、はずれた」と思いましたもん(笑)。低音はまずまずだけど、高音がイマイチというのが具体的な評価です。
 (あ、でもちょっとまてよ)
 ピン、ときました。
 (このBTLアンプでウーファーを鳴らして、別のアンプでツィーターを鳴らせば、ひょっとしていいとこどり!?)
 ピピン、ときました。こりゃいける、かもしれない。とにかくやってみよう。

「はずれ」のPC用小型スピーカーの内蔵アンプを
外して電池で動くようにしただけ。さて、結果は…
ツィーター担当はうちのサイトではおなじみ(?)
「天使と悪魔」スピーカーのなれの果てです。

 ええ感じや、むっちゃええ感じや!
 パワー不足感はなくなるし、低音の凄味も増しました。予想通り。いいとこどりです。
 気をよくして、小改良を加えてみました(電解コンデンサをタンタルに交換)。
 低音にさらに凄味が増し、音というより空気の壁が迫ってくる感じ。おそらく安物電解コンデンサではタイムラグが大きく、それが波形のずれを生じさせてたと思われます。
 理由はどうあれ、ドラムを聞くのが快感になるようなシステムになっちゃいました。


試聴曲:RCサクセション「ロックン・ロール・ショー」

 こらええわ。肩こりにてきめんじゃ! 「ラプソディー」のCDも買わねばのう。


 とにかくボリュームを絞っても低音の元気のよさに苦笑してしまう次第で。
 まあ、それは今後の課題としましょう。予想以上の成果でした。



 アンプをいじっていて、低音の迫力 = パワーではないとつくづく感じました。
 やみくもにパワーをふりかざすのではなく力を溜め、ここぞという一瞬に「ドンッ」と全てをぶつける。だからこそ一見非力な電池アンプでさえ、これほど力強い音がでるのでは。そんな気がします(東洋の武術に通じるものがある)。
 BTLアンプは出力カップリングコンデンサが不要、さらにバイアンプにすることでネットワーク用コイルも排除できる。そうした積み重ねでタイムラグの要因を減らしそれが力強い音を生んだのではと思います。

 BTL & バイアンプ という、ピュアオーディオをやる人の間でもかなり贅沢とされているものが、まがりなりにも数百円、数千円のオーダーで気軽にできてしまうのは楽しいです。チープなオーディオは失うものがない分、思い切ったことができます。
 それと「オペアンプ」や「パワーIC」と呼ばれるこれらの石、見かけもしょぼいし値段も馬鹿みたいに安いですが、中身は技術の結晶。もっと高く評価してやっていいと思います。私のような初心者はこういうICを信用して、こいつらの性能をうまく引き出すような方向でアンプを作ったほうが、いい結果がでると思います。


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