アナログプレーヤー編
いろいろとオーディオいじりをしてるうちに、物欲も沸いてきます。
特に欲しいのはアナログプレーヤーと真空管アンプ。
まあ、真空管の方は、省エネご時世に逆行するからひとまずおいといて、どうにもアナログプレーヤーが欲しくなってきました。
学生時代の私はラジオっ子で、親に頼んで家の屋根にでっかいFMアンテナまで立ててもらって、クラシックとか当時ニューミュージックと言われてた曲なんかをせっせとカセットテープに落としてました。レコードを買うのはFMでかかりそうにないアニメの曲ばかり。しかも厳選して手に入れたレコードはもったいないので買ったその日に2本のテープにダビングしてお蔵入り(当時も今も、とことん貧乏性な私)。
ところがそのテープはもうふにゃふにゃの限界。こんなこともあろうかと保存用にもう一本とってあるテープはというと、dbxというあまりにもマニアックなノイズリダクションをかけてしまったため、今の手持ちのカセットデッキでは再生不能なありさま。CDでのダビングも可能となった今、どうしてもアナログプレーヤーがほしい!
aiwa PX−E860という機種が安くて音がいいと巷で評判なので、アキバに行く途中でビックカメラに立ち寄って見に行ってみると、ありました。しかも残りあと一つ。気がつくと買ってました。
(嵩張るのでアキバ行きは中止)
写真うつりはともかく、質感もへったくれもない 「プラスチックでございます!」的外観。 妙な見栄ははってません。 7000円なり |
この値段、この見てくれで本当にまともな音が出るのか。いくらいい噂を聞いてはいても、誰しも不安になります。
というわけで、お毒味を兼ねてまずは試聴。
栄光ある一番手に選ばれたのは… この一枚。
ときめきトゥナイト。なつかし〜。 |
聴いてびっくり。とても楽しい音です。低音も高音もガンガン出てます。全然CDに負けてないと思います。
よく、「アナログの方がCDより音がいい」と逆説的なことを言う人がいて、半信半疑どころか「2信8疑」くらいの気持ちでいたのですが、確かにいい音です。今までどんなに頑張っても出なかったボーカルが軽々と前に出てきます。特にびっくりしたのがバイオリンの独奏で、こりゃもうCDじゃ逆立ちしたって出せない音です。声を含めた生の楽器が自然に前に出る感じの音ですね。聴いてて安らぎます。
オーディオってシステム全体を通して考えるべきなので、このプレーヤーだけの単独の評価というのはなかなかできないのですが、少なくともうちのシステムとは相性がいいです。うちはスピーカーもレコード世代だから(!)それでしっくりくるのかも。
…しかし、ほんっとアニメばっかりやな(しかも少女マンガ系ばかり)
あ〜堪能した
って、これでは
自作ネタになりませんがな
…いえ、安心してください。不肖この雪山、メカを見ては分解せずにおれない性分なのです。
というわけで買った翌日、早くもバラしちゃいました。
裏から開けたところ。開けなきゃ幸せでいられたのに
音だけ聴いてれば「これで7000円は安い!」と思っていたのに、
開けてしまったら「これで7000円は高い!」といいたくなりそう。
まあ、とりあえずもうちょっと見てみましょう。
おや、かわいらしいトランスの上にかわいらしい基盤が。 ダイオード4つとコンデンサ1つ。 …まさか、電源部ってこれだけじゃないですよね、ねっ!? ちなみに左下はモーターです。 9V〜12Vとかいてあります。 これを私に見られたのが運のつき。 |
唯一、オーディオ機器らしいといえるイコライザ部。 しかし言うまでもなく安物っぽいパーツばかりです。 ICにはMade in Chinaの文字。 |
はっきりいって「しょぼい!」というイメージはぬぐえませんが、だからといってけなすつもりはありません。
オーディオ機器は出てくる音がすべて。
音がいいなら、安くてシンプルなほうがいいです。シンプルなおかげで消費電力もわずか3W。いいことずくめです。
とはいえあの貧弱な電源部を見てしまうと、ムラムラとチャレンジ精神が沸いてくるのですが。
そして、ああっ!?、なんだこの電池ソケットは? さっきまでこんなのなかったのに。 いったい誰がいつの間にこんな事を!? |
う〜む、つけてしまったものは仕方ありません。ニッケル水素充電池×8本(公称9.6V 実測11V)で電池駆動してみました。
まったく普通に動きます。
音は… う〜ん、違いがわからん!
あの貧弱な電源なら電池に替えればさぞかし、と期待していたのですが…
翌日もこの電池駆動で聴いていたのですが、どうも買った当日の躍動感が失われた気がする…
思い立って電池をやめて普通にコンセント差してみました。
途端にみずみずしく躍動感あふれる音が!
ショック! 電池信者の私としては認めたくない! でもこの事実は認めざるをえません。
それにしてもあの貧弱な電源部を見てしまったあとだけに、なかなか納得はいきません。あれでは交流に含まれるリップル(脈流)が除去できているとは思えないので、逆にそういうリップルをも音づくりに生かしていると考えるべきなのか… だとすると同じ機種でも関東と関西で音が違うのか。
あ、でも今回は素直に認めましょう。
私の負けです
やはりこのプレーヤー、いろんなサイトで言われてるとおり、何も手を加えずありのままで聴くべきでしょうね。
そもそも肩肘はって聴くようなものでもないし。
少なくとも細かなチューニングをするよりも、まめにレコードの静電気をとりのぞいてプチノイズを減らす努力をしたほうがいいです。
…しょせんは1万円しないプレーヤーなので、当然欠点もあります。聴いた感じではバイオリンの音は素晴らしいものの、どこか作った音という感じがしないでもないし(うちのアンプのせいかも)、あと、レコードの最後のほう、つまり内周部に近づくにつれノイズが増えます。これはレコードプレーヤーの宿命ですが、以前使っていたもの(正確にはそれからダビングしたテープ)と聴き比べても、その劣化の度合いが大きいです(セッティングの問題かも)。
でも、全体的に見たらとてもいい買い物をしたと思ってます。
レコードって聴く前に静電気やほこりをとる手間があるので、決してBGMにはなりえません。レコードという寿命のあるメディアがその命を文字通り削って、その命とひきかえに音を出してくれるのです。聴くほうもおのずと真剣になります。そういうのも含めて、アナログの魅力というのは捨てがたいものがありますね。
今後は中古レコード屋に行く楽しみが増えそうです。
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